湯葉弥のこと

湯葉の豆知識

湯葉の歴史

京名産の一つとして知られる“ゆば”の歴史は古く中国から禅僧の手によって豆腐と一緒に伝えられました。その歴史は長く二千年余とも言われています。1200年末頃から、湯葉は大豆食品ということで禅宗のお寺で精進料理の材料として湯葉が使われ、京都のお坊さんにとても重宝され、愛され続けてきました。江戸時代の文書、「豆腐百珍」には湯葉料理が5品紹介されており、精進料理だけでなく一般的な食材としても親しまれていたことが伺えます。その後、湯葉は精進料理・懐石として発展し、京都の食文化を支え、現在では大豆のタンパク質・脂肪が多く含まれた栄養食品として、炊き合わせ、蒸しもの、揚げ物などの料理に用いられています。また、精進料理・懐石などの和食だけでなく、洋食にも取り入れられ幅広く利用されています。

湯葉の名前の由来

湯葉(ゆば)の名前の由来にはおもしろい仮説が二つあります。
【その一】湯葉の色が肌に表面のシワが肌のシワに見えることから老婆のシワに例えられ「姥(うば)」と呼んでいたものが「ゆば」に変化したものとする説(俗説)。
【その二】豆乳の膜(上面)を汲み上げることから「上(うは)」と呼ばれ「上(うは)」が変化して「うば」となり「ゆば」になったという説です。

栄養価の高い湯葉

【四訂 日本食品標準成分表】より

湯葉は畑のお肉と呼ばれるぐらい良質のタンパク質が多く含まれています。
大豆の成分には蛋白質だけでなく、大豆レシチン、オリゴ糖、大豆サポニン、イソフラボンなどの成分が多く含まれています。上図では生ゆばと乾燥ゆばの成分表例を表記させて頂いておりますのでよろしければご参考までにご覧下さい(分量100gあたりの配分図)。

湯葉の作り方

湯葉の製造工程は、基本的には豆乳を煮るところまでは豆腐と同じです。その後、豆腐はにがりや凝固剤を入れて固めますが、湯葉は何も加えないで加熱していきます。加熱していくことで表面に膜が張ります。この膜が湯葉です。この膜を職人たちの手によって一枚一枚丁寧にすくい上げていきます。

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